床の凹凸はどう下地処理する?エンボスのある既存床に重ね張りする方法

凹凸のある床の下地処理方法
本記事にはAmazonアソシエイトプログラムを含む広告が含まれています。

既存の床にエンボス(凹凸柄)がある場合、平滑な床のように上からそのまま貼ることはできません。凹凸を全面パテで一度フラットに埋めてから貼る、という一手間が必要です。この記事では、凹凸のあるビニル床材の上に重ね張りするときの下地処理を、なぜその手間が要るのかという理由から手順まで解説します。「エンボス床の上に床を貼りたい」「凹凸の下地処理のやり方が知りたい」という方向けの内容です。

この記事はメーカー公式の床材施工要領書をベースに現場目線で解説します。表面が平らな既存床への重ね張り(直貼りができるケース)は別記事にまとめているので、本記事は凹凸があるぶん工程が増える部分を中心に掘り下げます。

■ 施工の全体フロー
  1. 下地の確認
  2. 目荒らし
  3. 全面パテ処理
  4. 接着剤・貼り付け
  5. 養生
目次

【なぜ一手間増えるのか】凹凸を残すと何が起きるか

表面が平らな既存床なら、適合する接着剤で直接貼る直貼り工法が選べます。ところが凹凸(エンボス)がある床は、そのまま貼ると次のような不具合が出ます。

  • 下の凹凸が新しい床に陰影として浮き出る(貼った後に元の柄が透けて見える)
  • 凸部にしか接着剤が当たらず、接着面積が足りずに剥がれる・浮く
  • 凹部に空気やすき間が残り、突き上げの原因になる

つまり、凹凸を埋めて平らな面をつくらないと、せっかく貼った床がきれいに仕上がらず長持ちもしません。だから凹凸床では「全面パテ処理」という工程が一つ増えるわけです。平らな既存床への重ね張りとの違いは、Pタイルの上から床材は貼れる?既存のビニル床タイル・シートに重ね張りする方法と読み比べると分かりやすいです。平らなら直貼り、凹凸なら全面パテ、と覚えておきます。

凹凸のある既存床への重ね張りの下地処理図。凹凸を残したまま貼ると凸部しか接着せず下の柄が陰影として浮き出る。アースコート60などで全面パテして平滑にしてから貼ると接着面が均一になりきれいに仕上がる
図1:凹凸を残して貼る場合と、全面パテで平滑にしてから貼る場合の違い

【下地確認・目荒らし】補修・洗浄と、ツルツル床の目荒らし

まず既存床を整えます。剥がれや浮きがあれば補修し、汚れがあれば洗浄して乾燥させます。ワックスが塗ってあればワックス用剥離剤で除去して乾かします。

ここで凹凸床ならではのポイントが、ホモジニアスタイルやラミネート加工された床材は、サンダー等で表面を軽く目荒らしすることです。これらの床は表面が緻密でツルツルしているため、そのままだとパテや接着剤が食いつきにくい。軽く目を立ててやると密着が段違いに良くなります。

【全面パテ処理】アースコート60で凹凸を埋めて平滑にする

凹凸床の中心となる工程です。「アースコート60」または「リフォームシール」を床材面に全面塗布して平滑にした後、完全に硬化・乾燥させます。部分的にではなく、面全体を塗ってエンボスの凹凸を埋め切るのがポイントです。

凹凸が深くて一度で埋まらないときは、2回以上に分けて塗り重ねます。その際は1時間以上の間隔を空けてから次を塗ること。乾かないうちに重ねると、内部が生乾きのまま固まって痩せ、せっかく平らにした面がまた凹んできます。急がず、1層ずつ乾かしながら平滑な面をつくります。

用途商品商品番号施工㎡数の目安
全面パテ・平滑化アースコート60293-8015㎡/4.5kg(1mm厚)

💡 現場メモ

エンボスが深い床ほど「1回塗りで埋まった気になる」のが落とし穴です。塗った直後は埋まって見えても、乾くとパテが痩せて凹凸が浮き戻ってきます。手で触ってフラットでも、横から光を当てて影が出るなら、まだ凹凸が残っているサイン。光を当ててチェックすると失敗が減ります。

【接着剤・貼り付け】適合する接着剤を選んで貼る

平滑な面ができたら、貼る床材・施工環境・使用状況に合わせて適合する接着剤を選定します。接着剤を下地に塗り、所定のオープンタイムをとってから床材を張り付け、圧着可能時間内にローラーをかけて十分に馴染ませます。

ここでも接着剤選びは重要です。下地や床材に合わない接着剤を使うと、平滑にした下地ごと剥がれることがあります。製品の適合表を確認し、迷うときはメーカーに問い合わせて選ぶのが確実です。

【養生・最終確認】チェックリスト

貼り終えたら、24時間程度は極力人通りを避け、1週間程度は直射日光や急激な空調の使用を避けて、換気をよくして養生します。施工直後の温度急変は、目すき・突き上げ・反りの原因になります。冬季の低温時はジェットヒーターなどで採暖してから施工します。

  • 剥がれ・浮きを補修し、汚れを洗浄・乾燥したか
  • ワックスを剥離剤で除去したか
  • ホモジニアス・ラミネート床はサンダーで目荒らししたか
  • アースコート60等を全面塗布して凹凸を埋めたか
  • 2回以上塗るときは1時間以上の間隔を空けたか
  • パテが完全に硬化・乾燥してから接着剤を塗ったか
  • 横から光を当てて凹凸の残りがないか確認したか
  • 床材・下地に適合する接着剤を選んだか
  • 施工後24時間は人通りを避け、1週間は急な空調・直射日光を避けるよう施主に伝えたか

どの床材・下地にどの接着剤を使うかは、床材用接着剤の選び方早見表|床材・下地別に正しい接着剤を選ぶにまとめています。迷ったときの確認にどうぞ。

🔧 床施工でよく使う道具

▶ オルファ 特専黒刃(大)50枚入

Amazonで見る

▶ 床用ジョイントローラー

Amazonで見る

▶ 膝当て(ニーパッド)

Amazonで見る

出典・参考資料

本記事は、ヤヨイ化学工業株式会社が公開している床材施工要領書「既存床材下地(凹凸のあるビニル床材下地)」をもとに、現場での補足を加えて解説したものです。原本は同社公式サイトの床材施工要領書(PDF)、各種要領書の一覧は床材施工要領書のページで閲覧できます。下地処理材や接着剤の選定は既存床の状態・使用環境によって変わるため、実際の施工では各製品の最新の使用方法・安全データシート(SDS)を必ずご確認ください。

関連ツール

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

インテリア商社・マネージャー。現場に関わり続け、実務目線でツールの仕様監修を担当。「現場で本当に使えるか」を判断基準にしています。

コメント

コメントする

目次