床に付いた接着剤の剥がし方|種類別の落とし方とNGな除去方法

床に付いた接着剤の除去方法
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床に付いてしまった接着剤(ボンド)は、固まる前か後か、そして接着剤の種類によって落とし方がまったく変わります。この記事では、床材に付着した接着剤の除去方法を、未乾燥・硬化済みの状態別と接着剤の種類別に整理しました。あわせて、床材を傷めてしまう「やってはいけない落とし方」も紹介します。施工中のはみ出しを処理したい職人さんにも、DIYで床のボンド汚れに困っている方にも役立つ内容です。

この記事はメーカー公式の床材施工要領書(メンテナンス編)をベースに現場目線で解説します。まず大前提として、接着剤は固まる前に拭き取るのが一番ラクです。硬化してからだと手間も失敗のリスクも一気に上がります。

■ 除去の全体フロー
  1. 状態の確認
  2. 種類の見分け
  3. 薬剤で軟化
  4. 削り取る
  5. 清掃・乾燥
目次

【まず確認】未乾燥か硬化済みかで落とし方が変わる

接着剤の除去は、まだ乾いていない「未乾燥」か、すでに固まった「硬化済み」かで対処が分かれます。とくに覚えておきたいのが、エポキシ樹脂系・ウレタン樹脂系の接着剤は、硬化すると除去が非常に困難になること。これらは固まる前に必ず除去します。後回しにすると、もう簡単には取れません。

床に付いた接着剤の落とし方の早見図。固まる前は濡れ雑巾や接着剤クリーナーで拭き取る。硬化後は種類別に水性は接着剤クリーナー、酢ビ系はメタノール、ゴム系はクリーナーと灯油、タイルカーペット用はTCリムーバーで軟化させてから除去する。やってはいけないのはシンナーで擦る・刃物で削る・繊維の糊を無理に取る
図1:接着剤の状態別・種類別の落とし方と、やってはいけない除去

【未乾燥】固まる前に拭き取る

  • 水性系接着剤:直ちに濡れ雑巾などで拭き取る。
  • 酢ビ溶剤系・エポキシ樹脂系:メタノール、または「接着剤クリーナー」を含ませた雑巾で除去する。
  • ウレタン樹脂系・ゴム系溶剤系:「接着剤クリーナー」を含ませた雑巾で除去する。

くり返しになりますが、エポキシ系とウレタン系は硬化すると取れなくなるので、見つけたらすぐ処理します。

【硬化済み】接着剤の種類別に軟化させてから取る

固まってしまった接着剤は、種類に合った薬剤で軟化させてから除去します。いきなり削るのではなく、溶剤やクリーナーを置いて柔らかくしてからが基本です。

接着剤の種類落とし方
水性系(ゴム系ラテックス形・アクリル系エマルション形)「接着剤クリーナー」を塗り、5〜10分置いてから雑巾で拭き取る
酢ビ溶剤形(ビニル共重合樹脂系溶剤形を含む)メタノールを含ませた雑巾を当て、5〜10分置いて柔らかくしてから拭き取る
ゴム系溶剤形「接着剤クリーナー」を塗り、5〜10分置いて拭き取る(固く塊状なら灯油を付けて柔らかくしてからクリーナー)
タイルカーペット用(ビニル床材に復帰する場合)「TCリムーバー」を水かお湯で5倍に薄めて塗り、10〜20分置いてポリッシャーやデッキブラシ、地ベラで削り取る

TCリムーバーで削り取ったあとは、汚水を回収して、もう一度きれいな水で床を洗い、乾燥させます。仕上げに床用ワックスを塗っておくと、床材を保護でき、汚れも付きにくくなります。

商品商品番号荷姿施工㎡数の目安
接着剤クリーナー299-201200g(×24)
TCリムーバー296-6123ℓ(×6)150㎡/3ℓ(5倍希釈・1回塗布)

【やってはいけない】床材を傷める除去のNG

💡 現場メモ

早く落としたくて、シンナーやラッカーうすめ液をいきなり使うと、ビニル系の床材は表面が溶けて白くなったり、艶が消えたりします。接着剤は取れても床が傷んでは本末転倒。種類に合った薬剤を、目立たない所で試してから使うのが鉄則です。

  • 接着剤に合わない強い溶剤(シンナー等)で擦る → ビニル床が溶ける・変色・艶引け
  • カッターやスクレイパーでいきなり削る → 床材表面に傷が入る(まず軟化させてから)
  • カーペットなど繊維に染み込んだ接着剤を無理に全部取ろうとする → 繊維内の糊は100%は取れず、床材を傷めるだけ

なお、接着剤クリーナーやTCリムーバー、メタノール・灯油などを使うときは、換気と火気に十分注意してください。床材の種類によっては表面を傷めるものもあるので、必ず目立たない場所で試してから本作業に入ります。

【最終確認】接着剤を落とすときのチェックリスト

  • 未乾燥のうちに拭き取ったか(特にエポキシ・ウレタンは硬化前に)
  • 硬化したものは種類に合った薬剤で軟化させてから取ったか
  • シンナー等の強い溶剤で床材を傷めていないか
  • 刃物でいきなり削らず、軟化させてから除去したか
  • 目立たない場所で試してから本作業に入ったか
  • 換気・火気に注意したか
  • 繊維に染み込んだ糊を無理に全部取ろうとしていないか

「付いた接着剤を落とす」のではなく、古い床材を糊ごと剥がして撤去したい場合は、剥離剤を使う別の作業になります。詳しくは床材の剥がし方|床用トルトーレで既存床と糊を剥離する手順をご覧ください。

どの床材・下地にどの接着剤を使うかは、床材用接着剤の選び方早見表|床材・下地別に正しい接着剤を選ぶにまとめています。迷ったときの確認にどうぞ。

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出典・参考資料

本記事は、ヤヨイ化学工業株式会社が公開している床材施工要領書「床材に付着した接着剤の除去方法」をもとに、現場での補足を加えて解説したものです。原本は同社公式サイトの床材施工要領書(PDF)、各種要領書の一覧は床材施工要領書のページで閲覧できます。除去方法や薬剤は接着剤・床材の種類によって変わるため、実際の作業では各製品の最新の使用方法・安全データシート(SDS)を必ずご確認ください。

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この記事を書いた人

インテリア商社・マネージャー。現場に関わり続け、実務目線でツールの仕様監修を担当。「現場で本当に使えるか」を判断基準にしています。

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