クッションフロアの貼り方|接着剤の選び方と継ぎ目処理の正解

クッションフロアの貼り方
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クッションフロア(CF)をきれいに長持ちさせられるかは、貼り方そのものより下地処理と接着剤の選び方、そして継ぎ目処理で9割決まります。この記事では、乾燥モルタル下地にCFを接着剤で貼るときの正規手順を、工程順にまとめました。「どの糊を使えばいいのか」「継ぎ目のめくれを防ぐにはどうするか」がはっきり分かる内容です。

DIYでも検索の多いテーマですが、ここで紹介するのはメーカー公式の施工要領書をベースにしたプロ仕様の手順です。両面テープではなく接着剤(ボンド)で貼る、いわゆる正規工法を現場目線で解説します。

■ 施工の全体フロー
  1. 下地の確認
  2. 清掃
  3. 下地処理
  4. 接着剤・貼り付け
  5. 継ぎ目処理
目次

【下地の確認】貼る前に下地が”生きているか”を見る

最初にやるのは下地表面のチェックです。手でこすって粉が付く、表面がもろくて弱い、そんな下地にそのままCFを貼ると、接着剤ごと下地表面が剥がれてCFが浮きます。表面が弱い・粉っぽいときは床用シーラー「フロアシーアップ」を塗って乾かし、表面を固めてから先に進みます。

注意したいのは、表面だけでなく下地内部までもろい場合です。これはシーラーでは救えません。床材施工そのものを見送るか、下地を作り直す判断になります。ここを無理して貼ると、数か月で広い範囲が浮いてやり直し、というのが現場では一番多い失敗です。

【清掃】突起とモルタルかすを残さない

下地のモルタルやコンクリートに突起物があれば、スクレイパーで削り取ります。CFは薄いので、小さな砂粒やモルタルの塊が残っているだけで、仕上がりにポツポツと跡が浮き出ます。

細かいかすは、湿らせたノコ屑(おがくず)を床にまいてから箒で掃き取ると、ホコリを舞わせずにモルタルかすまで一緒に回収できます。乾いたまま掃くより確実にきれいになる、昔からある現場の手です。清掃を省くと、ゴミを噛んだ部分が点で当たって接着不良になり、そこから浮きが広がります。

【下地処理】パテと不陸調整で床を平滑にする

下地の亀裂や凹みは「アースシール速硬」などの床用パテで埋め、平滑にしてから完全に硬化・乾燥させます。コテムラなどで床全体に不陸(ふりく/凹凸のうねり)があるときは、「アースコート60」で全面をならして平滑にします。

用途商品商品番号施工㎡数の目安
表面強化シーラーフロアシーアップ291-11280㎡/4kg(2倍希釈)
部分パテ(亀裂・凹部)アースシール速硬293-1015㎡/5kg(1mm厚)
全面不陸調整アースコート60293-8015㎡/4.5kg(1mm厚)

ここで大事なのは完全に乾かしてから次へ進むことです。パテが生乾きのまま貼ると、あとからパテが痩せて継ぎ目や凹部が表に響き、CF表面に段差として出てきます。急ぎたい気持ちはわかりますが、乾燥待ちは省略できません。

床用パテの注意点

「アースシール」などの床用パテは、あくまで下地を平滑にするためのもので、下地の動きを止める接着剤ではありません。大きく動く下地(たわむ床など)では、パテを盛っても上からクラックが出ることがあります。下地そのものの固定が先、という順番を間違えないようにします。

【接着剤】CFに合う糊を下地で選ぶ ─ ここを間違えると剥がれる

CFの貼り付けには、合成ゴム系ラテックス形接着剤「プラゾールNP-2000」、または「プラゾールNP-2300」「プラゾールF-9」を使います。これを下地に塗り広げ、所定のオープンタイムをとってから貼り付けます。

ここで2つ、共通の用語を押さえておきます。

  • くし目ゴテ:刃先がギザギザになったコテ。接着剤を一定量・均一な筋状に塗り広げるための道具で、塗る量がコテの溝で決まります。CFのような薄物には細かい目のくし目を使います。
  • オープンタイム:接着剤を塗ってから床材を貼るまでの待ち時間。糊の溶剤や水分をある程度飛ばして粘りを出すための時間で、これを取らずに貼ると密着不足になります。
商品商品番号荷姿施工㎡数の目安
プラゾールNP-2000エコロン281-13118kg70㎡/18kg

接着剤の選定は床施工で一番事故が起きやすいポイントです。下地や工法に合わない糊を使うと、半年後にCFが浮く・端がめくれる・下地から水分が回って変色する、といった形で必ず表面化します。とくに浴室や土間まわりなど水がかりのある場所は、一般工法用の糊ではなく耐湿工法用のウレタン系接着剤「プラゾールUF-ライト」を使います。乾いて見える土間でも内部に湿気が残っていることが多く、一般用の糊だと湿気で接着が切れてしまうからです。「いつもの糊」で押し切らず、下地と場所で糊を替えるのが鉄則です。

【貼り付け・圧着】オープンタイムを取ってローラーで密着させる

接着剤を塗ったら、いきなり貼らずにオープンタイムをとります。その後、圧着可能時間内にCFを貼り、ローラー等でしっかり転圧して、CFと接着剤を十分に馴染ませます。空気やシワを残さないよう、中央から端へ空気を追い出すように圧着していきます。

クッションフロア施工の3工程イメージ。くし目ゴテで接着剤を塗りオープンタイムをとる、ローラーで圧着する、継ぎ目にシームシーラーを注入して一体化させる流れの図解
図1:接着剤塗布(オープンタイム)→ローラー圧着→継ぎ目処理の流れ

仮敷きの段階で巻き癖を伸ばしておくと、この圧着がぐっと楽になります。CFはロールで届くので、当日いきなり広げると端が反って浮きやすい。前日までに搬入して現場の温度になじませ、仮敷きで巻き癖を取っておくのが、仕上がりを左右する地味だけど効く下準備です。

💡 現場メモ

冬場や寒い現場では、糊の食いつきが落ちて圧着しても密着が甘くなりがちです。ジェットヒーターなどで室温を10℃以上に上げてから施工すると、接着の安定がまるで違います。寒い日ほど採暖をケチらないのがコツです。

【継ぎ目処理】シームシーラーで継ぎ目を一体化させる

CF施工の仕上がりと寿命を分けるのが、この継ぎ目処理です。床材を貼り終えたら、「ツヤ消しシームシーラー」を継ぎ目に流し込み、突き付けたシート同士を完全に接着させて一本につなぎます。

商品商品番号荷姿施工mの目安
ツヤ消しシームシーラー295-112200g(セット)80〜100m/200g

この継ぎ目処理を省くとどうなるか。継ぎ目から端がめくれ上がり、隙間に水や汚れが入り込んで、そこを起点にCFが浮いていきます。とくに水を使うトイレ・洗面・キッチンでは、継ぎ目処理の有無で持ちが何年も変わります。見た目はほんの細い線ですが、CFの一番の弱点を塞ぐ工程なので、ここは絶対に飛ばせません。

なお、シームシーラーや耐湿工法用のウレタン系接着剤を使うときは、溶剤を含むため換気と火気に十分注意してください。床材どうしのすき間補修には、床用コーキング剤「アースコーク」を使います。

【最終確認】施工後の養生と注意事項チェックリスト

貼り終わってからも、しばらくは養生期間です。貼り付け後24時間程度は極力人を通さないこと。さらに1週間程度は、直射日光や急激な空調(冷暖房の効かせすぎ)を避け、換気をよくして養生します。施工直後に温度が急変するとCFが伸び縮みして、目すき(継ぎ目の開き)や反りが出やすいためです。床用ワックスをかける場合も、接着剤が完全に乾いて硬化してから行います。

要領書の注意事項を、現場で使えるチェックリストに組み直しました。

  • 下地表面は粉っぽくないか(弱ければフロアシーアップで強化)
  • 突起・モルタルかす・ゴミを清掃したか
  • パテ・不陸調整は完全に硬化・乾燥させたか
  • 下地・場所に合った接着剤を選んだか(水がかりは耐湿工法用)
  • オープンタイムを取ってから貼り、ローラーで圧着したか
  • 継ぎ目をシームシーラーで処理したか
  • 前日搬入・仮敷きで巻き癖を取ったか
  • 低温時は室温10℃以上に採暖したか
  • 施工後24時間は人通りを避け、1週間は急な空調・直射日光を避けるよう施主に伝えたか

同じ床材シリーズでも、タイルカーペットは接着剤も貼る順番も考え方が変わります。タイルの割付や貼り始める位置については、タイルカーペット貼り方の正解は端から?必要枚数の計算方法とツールもあわせてどうぞ。

店舗や土足エリアで使う重歩行用クッションフロアの施工は、重歩行用クッションフロアの施工|店舗・土足で一般CFと何が変わるかで解説しています。

どの床材・下地にどの接着剤を使うかは、床材用接着剤の選び方早見表|床材・下地別に正しい接着剤を選ぶにまとめています。迷ったときの確認にどうぞ。

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出典・参考資料

本記事は、ヤヨイ化学工業株式会社が公開している床材施工要領書「クッションフロア(乾燥モルタル下地への一般工法)」をもとに、現場での補足を加えて解説したものです。原本は同社公式サイトの床材施工要領書(PDF)です。接着剤の選定や塗布量は製品・下地によって変わるため、実際の施工では各製品の最新の使用方法・安全データシート(SDS)を必ずご確認ください。

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この記事を書いた人

インテリア商社・マネージャー。現場に関わり続け、実務目線でツールの仕様監修を担当。「現場で本当に使えるか」を判断基準にしています。

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