吸音テックスの天井に壁紙を貼る方法|固定・シーラー・パテの下地づくり

吸音テックス天井への施工方法
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古い事務所や店舗の天井によくある、穴あきの吸音テックス(吸音板)。この上から壁紙を貼って天井をリフレッシュしたい、という相談があります。吸音テックスは柔らかく穴だらけで脆いので、固定・シーラー・パテで「固めて平らにする」下地づくりが欠かせません。今回は吸音テックス天井への壁紙の貼り方を解説します。

この記事は、メーカー公式の施工要領書をベースに現場目線で解説します。吸音テックス下地への壁紙施工を、下地づくりのポイントからシーラー処理・パテ・壁紙貼りまで工程順にまとめました。

■ 施工の全体フロー
  1. 事前チェック(固定・塗装)
  2. 養生
  3. シーラー処理
  4. パテ処理
  5. 壁紙貼り
目次

【ポイント】柔らかい吸音テックスを「下地」に変える

吸音テックスは、音を吸うために表面に細かい穴が空いた、柔らかく脆い板です。そのまま壁紙を貼ると、穴や段差が表に出てデコボコになり、脆い表面ごと剥がれてきます。だから貼る前に、ぐらつきを止め、表面を固め、穴と段差をパテで平らにして、しっかりした下地につくり変える必要があります。

吸音テックスにそのまま貼ると穴や段差が出る場合と、固定・シーラー・パテで下地化して平らに貼る場合の比較断面図
図1:そのまま貼ると穴・段差が出る。固定→シーアップで固める→パテで平滑化すると、平らに密着する

なお、下地の状態によっては施工できない場合もあります。テックスが古くてボロボロに脆くなっていたり、ぐらつきが大きすぎたりする場合は、無理に貼らず張り替えを検討します。

【事前確認】固定と表面塗装をチェックする

2点を確認します。下地に動きや浮きがあれば、ビス等でしっかり固定します。天井は吊られているぶん動きやすいので、ここは念入りに。そして吸音テックスの表面が塗装されている場合は、その塗装を落とします。塗装が残っていると、シーラーもパテも密着しません。

【養生】シーラー・パテの付着を防ぐ

床、枠廻り、柱、見切りなどに、シーラーやパテ、接着剤が付着しないよう養生します。天井施工は薬剤やパテが垂れて落ちやすいので、床と周囲の養生を広めに取っておくと安心です。

【シーラー処理】シーアップ原液で表面を固める

シーアップ」を原液のまま刷毛・ローラーで下地全面に均一に塗布します。塗ったら完全に乾燥させます。脆い吸音テックスでは、希釈せず原液で塗って表面をしっかり固めるのがポイント。これでパテや糊が乗る土台ができます。

シーラーを塗る前のチェック

「シーアップ」を使う前に、下地の目立たない所へ試験塗布し、乾燥後にクラフトテープを貼って剥離しないか確認してください。テックスの表面ごと剥がれてくるようなら、下地が弱すぎるサインです。その場合は施工を見合わせます。

【パテ処理】穴・目地・凹部を埋めて平滑にする

目地部や凹部、吸音用の穴を「水性リフォームパテW」でパテ処理し、下地を平滑化します。完全に乾燥・硬化させてから次へ進みます。テックスの穴は数が多いので、一度で埋まらなければ重ね塗りして、表面をしっかりフラットにします。ここの平滑度がそのまま仕上がりに出ます。

【壁紙貼り】RINOで貼り、重ね切りは下敷きテープで

壁紙施工用接着剤「RINO(リノ)」を原液のまま糊付機で壁紙裏面に均一に塗布します(塗布量の目安120〜150g/㎡)。養生袋「カンガルー」等で壁紙に適したオープンタイムを取ってから貼り合わせます。

ジョイント部を重ね切りするときは、下地を切らないよう下敷きテープ(FUJIKO・MOMOKO等)を使います。テックスは柔らかいので切り込みすぎに注意。コーナー部の剥がれ防止には「ジョイントコークA」を内コークで納めます。

用途商品商品番号荷姿備考
シーラーシーアップ227-4024kg(×4)原液で表面を固める
パテ水性リフォームパテW273-7223.5kg(×4)穴・段差の平滑化
壁紙糊RINO(リノ)218-5026kg×3約100㎡/6kg×3

💡 現場メモ

昔ながらの事務所天井の穴あきテックスは、触るとボロッといくものも多いです。シーアップ原液で固めてからパテで穴を潰すと見違えますが、あまりに脆い天井は無理せず張り替えを勧めるのが正直なところ。天井作業は薬剤・パテが落ちるので、床養生を広めに取るのも忘れずに。

【最終確認】施工時の注意事項チェックリスト

要領書記載の注意事項を、現場で使えるチェックリストに組み直しました。

  • 下地に浮き・動きがあればビス等で固定したか
  • 表面が塗装されている場合は落としたか
  • 下地に湿気がある場合は乾燥させたか
  • シーアップ原液で表面を固めたか
  • シーラー塗布前に試験塗布+クラフトテープで密着を確認したか(脆ければ施工不可)
  • 穴・目地・凹部を水性リフォームパテWで平滑化したか
  • 室温は5℃以上か
  • はみ出したシーラー・パテ・接着剤をすぐ清水で拭き取ったか
  • 接着しにくい壁紙は試験施工で確認したか

壁紙は「何の下地に貼るか」で貼り方が変わります。下地・既存仕上げ・特殊壁紙ごとの施工方法は、▶ 下地別・壁紙施工方法の早見表にまとめています。迷ったときの確認にどうぞ。

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出典・参考資料

本記事は、ヤヨイ化学工業株式会社が公開している施工要領書「吸音テックス下地への施工」をもとに、現場での補足を加えて解説したものです。原本は同社公式サイトの施工要領書(PDF)で閲覧できます。

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この記事を書いた人

インテリア商社・マネージャー。現場に関わり続け、実務目線でツールの仕様監修を担当。「現場で本当に使えるか」を判断基準にしています。

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