タイルの上から壁紙を貼る方法|目地の段差処理とカビ対策の手順

磁器タイル面への施工方法
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キッチンや洗面所の古い磁器タイル。剥がさず上から壁紙を貼って今風にしたい、というリフォームは多いです。タイル面に壁紙を貼るときの肝は2つ、目地の段差をパテで消すことと、水回りならではのカビを先に殺菌することです。ここを押さえれば、ツルッとした壁に生まれ変わります。

この記事は、メーカー公式の施工要領書をベースに現場目線で解説します。磁器タイル面への壁紙施工を、汚れ・カビの除去から目地のパテ処理・壁紙貼りまで工程順にまとめました。

■ 施工の全体フロー
  1. 事前チェック(汚れ・カビ)
  2. 養生
  3. 汚れ・カビの除去
  4. パテ処理(目地の段差消し)
  5. 壁紙貼り
目次

【最重要】タイルの目地段差をパテで消す

タイル面は、タイルと目地で細かい凹凸があります。この目地の段差を埋めずに壁紙を貼ると、目地のラインが格子状に表へ浮き出て、いかにも「タイルの上に貼りました」という仕上がりになります。きれいに見せるコツは、目地をパテで埋めて面をフラットにしてから貼ること。これが磁器タイル施工の一番のポイントです。

磁器タイル面の目地段差をそのまま貼ると目地のラインが浮き出る場合と、パテで平滑化してフラットに仕上げる場合の比較断面図
図1:目地を埋めずに貼ると格子のラインが浮く。水性リフォームパテWで目地を埋めて平滑化するとフラットに仕上がる

もう一つが水回りならではのカビ対策です。キッチン・洗面所のタイル目地は、カビが残ったまま貼ると裏から再発します。貼る前に必ずカビを殺菌しておきます。

【事前確認】汚れとカビの有無を見る

タイル表面が汚れていれば除去します。そしてタイル表面や目地にカビが発生している場合は、カビ取り剤で殺菌処理をします。長年使ったキッチン・洗面所のタイルは、目地にカビが入り込んでいることが多いので、ここはよく見ておきます。

【養生】パテ・接着剤の付着を防ぐ

床、枠廻り、柱、巾木、見切りなどに、パテや接着剤が付着しないよう養生します。カウンターや水栓金具まわりも、薬剤やパテが付かないように囲っておきます。

【汚れ・カビの除去】洗ってからカビトリで殺菌

まずタイルの表面と目地を洗剤できれいに洗います。目地にカビが発生している場合は、カビ取り剤「Newマスティーカビトリ」で殺菌処理します。そのあと洗剤を清水で洗い落とし、表面をきれいに拭いて完全に乾燥させます。乾かないまま次へ進むと、パテも糊も密着しません。

カビ取り剤を扱うときの注意点

「Newマスティーカビトリ」は漂白・殺菌成分を含むため、ゴム手袋・保護メガネを着用し、換気しながら作業してください。カウンターや床に飛ぶとシミ・色抜けになるので、養生と拭き取りを徹底します。はみ出した薬剤はすぐ清水で拭き取ります。

【パテ処理】目地・凹部を埋めて平滑にする

乾いたら、目地部や凹部を「水性リフォームパテW」でパテ処理し、下地を平滑化します。完全に乾燥・硬化させてから次へ進みます。タイルの目地は深さがあるので、一度で埋まらなければ重ね塗りして、しっかり面一(つらいち)にします。ここの平滑度が、そのまま仕上がりの良し悪しになります。

【壁紙貼り】RINOで貼り、重ね切りは下敷きテープで

壁紙施工用接着剤「RINO(リノ)」を原液のまま糊付機で壁紙裏面に均一に塗布します(塗布量の目安120〜150g/㎡)。養生袋「カンガルー」等で壁紙に適したオープンタイムを取ってから貼り合わせます。

ジョイント部を重ね切りするときは、下地を切らないよう下敷きテープ(FUJIKO・MOMOKO等)を使います。コーナー部の剥がれ防止には「ジョイントコークA」を内コークで注入して納めます。

用途商品商品番号荷姿備考
カビ殺菌Newマスティーカビトリ236-221500ml(×20)目地のカビに使用
パテ(目地・全面)水性リフォームパテW273-7223.5kg(×4)目地の段差消し
壁紙糊RINO(リノ)218-5026kg×3約100㎡/6kg×3

💡 現場メモ

キッチンや洗面のタイルをクロス化する仕事は、目地を埋めきれずに格子が透けて出る失敗が定番です。深い目地はパテを2回入れてでも面一にするのが正解。水回りなのでカビの殺菌も省かないこと。見違えるほどきれいになると、追加リフォームの相談にもつながります。

【最終確認】施工時の注意事項チェックリスト

要領書記載の注意事項を、現場で使えるチェックリストに組み直しました。

  • タイル表面・目地の汚れを洗剤で落としたか
  • 目地のカビをNewマスティーカビトリで殺菌したか
  • 洗剤を清水で洗い落とし、完全に乾燥させたか
  • 目地・凹部を水性リフォームパテWで面一に埋めたか(段差消し)
  • カビ取り作業でゴム手袋・保護メガネを着用し換気したか
  • 室温は5℃以上か
  • はみ出したパテ・接着剤・薬剤をすぐ清水で拭き取ったか
  • 接着しにくい壁紙・通気性の少ない壁紙は試験施工で確認したか
  • 施工後1週間は急激な空調を避け、自然換気するよう施主に伝えたか

壁紙は「何の下地に貼るか」で貼り方が変わります。下地・既存仕上げ・特殊壁紙ごとの施工方法は、▶ 下地別・壁紙施工方法の早見表にまとめています。迷ったときの確認にどうぞ。

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出典・参考資料

本記事は、ヤヨイ化学工業株式会社が公開している施工要領書「磁器タイル面への施工」をもとに、現場での補足を加えて解説したものです。原本は同社公式サイトの施工要領書(PDF)で閲覧できます。

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この記事を書いた人

インテリア商社・マネージャー。現場に関わり続け、実務目線でツールの仕様監修を担当。「現場で本当に使えるか」を判断基準にしています。

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