壁紙のカビの貼り替え|再発させない下地処理と殺菌・防カビの手順

発カビ壁紙の貼り替え方法
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壁紙にカビが出たとき、見えているカビごと壁紙を剥がして新しいクロスを貼れば直ると思われがちですが、それだけでは数ヶ月で同じ場所からカビが再発します。カビの貼り替えで本当に大事なのは、下地の殺菌・防カビと、カビが出た原因(結露・漏水)への対処です。

この記事は、メーカー公式の施工要領書をベースに現場目線で解説します。クロスのカビの下地処理から、殺菌・防カビ・貼り付けまでの手順を工程順にまとめました。

■ 施工の全体フロー
  1. 事前チェック
  2. 養生
  3. 壁紙の除去
  4. 殺菌・防カビ
  5. 壁紙貼り
目次

【再発リスク】カビを残したまま貼るとどうなるか

カビは表面だけの汚れではなく、菌が下地(石膏ボードや裏打ち紙)にまで根を張っています。殺菌せずに上から新しい壁紙を貼ると、残った菌が湿気を得て裏側から再び繁殖し、数ヶ月で黒ずみが透けて出てきます。見た目が直ったように見えても、原因を断っていないので必ず戻ってきます。

カビを残したまま壁紙を貼ると裏から再発する場合と、殺菌・防カビ処理をして再発を抑える場合の比較断面図
図1:殺菌せず貼ると裏から再発する。殺菌→防カビ→乾燥→貼付の順で再発を抑える

さらに、カビの発生源が結露や漏水であれば、いくら殺菌しても水が来続ける限り再発します。下地の殺菌・防カビと並行して、そもそもなぜカビたのかを断つのが本筋です。

【事前確認】下地の強度と結露・漏水を見極める

まず下地の状態を確認します。下地がべっとり濡れて強度を失っている場合は、貼り替えではなく下地そのものを交換します。原因が内部結露や漏水なら、断熱工事や漏水防止など、おおもとの処理を先に済ませます。ここを飛ばすと、せっかくの殺菌・防カビも水分でリセットされてしまいます。下地が石膏ボードの基本は、石膏ボード下地への壁紙施工も参考にしてください。

【養生】薬液・接着剤の付着を防ぐ

床(畳など)、壁、柱などに、カビ取り薬液や接着剤が付かないよう養生します。カビ取り剤は漂白成分を含むため、畳や家具に飛ぶとシミや色抜けになります。養生を省くと、カビは直っても別のクレームを作ることになります。

【壁紙の除去】裏打ち紙を残さず剥がす

カビ取り剤が飛散しないよう、壁紙を静かに剥がします。このとき裏打ち紙を下地に残さないのがポイント。紙が残るとそこにカビが残留し、再発の温床になります。

【殺菌・防カビ】カビトリで殺菌→マスティーS・8で防カビ

発カビ箇所に「Newマスティーカビトリ」を柄付きスポンジ等で塗り、殺菌・漂白します(発カビ状況に応じて原液〜2倍希釈)。2〜3時間置いたら、清水で固く絞った雑巾で拭き取り、菌液を除去して十分に乾かします。作業はゴム手袋・保護メガネ・保護マスクを着用して行います。

乾いたら「マスティーS・8」を原液で下地全面に均一に塗り、防カビ層をつくります(塗布量の目安100cc/㎡)。下地に湿気がなくなるまで十分に乾かし、壁紙貼りは下地処理した翌日以降に行うのが基本です。急いで貼ると湿気が抜けきらず、再発の原因になります。

薬剤を扱うときの注意点

「マスティーS・8」を使う際は火気・換気に注意してください。殺菌・防カビ剤は塩素系の刺激臭があるため、密閉空間では必ず換気しながら作業します。はみ出した薬剤は直ちに清水で拭き取ってください。

【壁紙貼り】ルーアマイルド+NEWパワーマスティーで貼る

壁紙施工用接着剤「ルーアマイルド」等に防カビ剤「NEWパワーマスティー」(糊18kgに200g)を添加し、規定量の水で希釈して糊付機で壁紙裏面に均一に塗布します(塗布量の目安135g/㎡)。糊にも防カビ剤を入れることで、貼った後の再発をさらに抑えます。養生袋(カンガルー等)でオープンタイムを取ってから貼り合わせます。

ジョイント部は突き付けで貼り、重ね切りの際は下地を切らないよう「PP下敷きテープ」等を使います。入隅・出隅の剥がれ防止には「ジョイントコークA」を内コークで注入して納めます。

用途商品商品番号荷姿施工㎡数の目安
殺菌・漂白Newマスティーカビトリ236-221500ml(×20)約5㎡/500ml
防カビ(下地)マスティーS・8237-4024ℓ(×4)約40㎡/4ℓ
壁紙糊ルーアマイルド213-70118kg約180㎡/18kg
糊用防カビ剤NEWパワーマスティー236-013200g糊18kgに200g添加

💡 現場メモ

カビのクレームで一番多いのが「前に貼り替えたのにまた出た」という再発案件です。たいてい殺菌・防カビを飛ばして表面だけ貼り替えたケース。原因の結露・漏水まで踏み込めると、リピートと紹介につながりやすい仕事です。

【最終確認】施工時の注意事項チェックリスト

要領書記載の注意事項を、現場で使えるチェックリストに組み直しました。

  • 下地の損傷が著しい場合は下地ごと貼り替えたか
  • 結露・漏水の原因に手を打ったか
  • 壁紙施工前に十分換気し、下地を乾燥させたか
  • 室温は5℃以上か
  • カビ取り作業でゴム手袋・保護メガネ・マスクを着用したか
  • はみ出した薬剤・接着剤はすぐ清水で拭き取ったか
  • 湿度が高い・伸縮の大きい壁紙ではプラゾールSS等で糊を補強したか
  • 施工後1週間は急激な空調を避け、自然換気するよう施主に伝えたか

壁紙は「何の下地に貼るか」で貼り方が変わります。下地・既存仕上げ・特殊壁紙ごとの施工方法は、▶ 下地別・壁紙施工方法の早見表にまとめています。迷ったときの確認にどうぞ。

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出典・参考資料

本記事は、ヤヨイ化学工業株式会社が公開している施工要領書「発カビした壁紙(下地:石膏ボード)の貼り替え」をもとに、現場での補足を加えて解説したものです。原本は同社公式サイトの施工要領書(PDF)で閲覧できます。

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この記事を書いた人

インテリア商社・マネージャー。現場に関わり続け、実務目線でツールの仕様監修を担当。「現場で本当に使えるか」を判断基準にしています。

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