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マンションのリフォームで多い「GL工法」の壁。木下地の軸組工法と同じ感覚でクロスを貼ると、数ヶ月後に浮きやカビが出ることがあります。GL工法はコンクリート躯体にボードを直貼りする分、下地の乾燥に時間がかかるのが最大の違いです。
この記事は、メーカー公式の施工要領書をベースに現場目線で解説します。GL工法の石膏ボード下地への壁紙施工を、養生・パテ処理・防カビ・壁紙貼りまで工程順にまとめました。GL工法ならではの注意点も整理しています。
- 事前チェック
- 養生
- パテ処理
- 防カビ処理
- 壁紙貼り
【GL工法ならではの注意点】軸組工法との一番の違い
GL工法は、コンクリート躯体に石膏系の接着剤「GLボンド」を団子状に点付けし、その上から石膏ボードを直貼りする工法です。木の間柱にボードを留める軸組工法と違って、躯体・GLボンド・ボードに含まれる水分が抜けにくく、乾燥に時間がかかります。ここを理解せずに早く貼ってしまうのが、GL工法のクロス施工で一番多い失敗です。

もう一つの違いが、GLボンドそのものがカビの発生源になりやすい点です。要領書ではGLボンドに防カビ剤「NEWパワーマスティー」を混合してボード張りを行うことを求めています。ボードを張る段階からカビ対策を仕込んでおくのがGL工法の定石です。下地が石膏ボードである基本の流れは、石膏ボード下地への壁紙施工も合わせて読むと整理しやすいです。
【事前確認】養生期間1ヶ月と発カビのチェック
施工前にまず確認するのが、ボード張り後の養生期間です。目安は1ヶ月。GLボンドと躯体の水分が抜けきるまで下地を乾燥させてから貼ります。乾燥が不十分なまま貼ると、湿気が逃げ場を失って浮き・剥がれ・カビにつながります。すでに発カビしている場合は、貼る前に「NEWマスティーカビトリ」で殺菌処理を済ませておきます。
【養生】薬剤・接着剤の付着を防ぐ
床、枠廻り、柱、巾木、見切りなどに、パテや接着剤が付着しないよう養生します。養生を省くと、巾木や枠についたパテ・糊の拭き取りに余計な手間がかかり、仕上がりの印象も落ちます。最初のひと手間が、後の手戻りを減らします。
【パテ処理】下塗り→上塗りの2段で平滑にする
パテは2段構えが基本です。まず下塗りパテ「プロジェクトU」等でV溝やビス段差を埋め、次に上塗りパテ「プロジェクト輝」等で下地全体を平滑に仕上げます。どちらも完全に硬化させてから次へ進むのが鉄則。生乾きで上塗りや壁紙に進むと、後でヤセや段差が浮き出てきます。
【防カビ処理】マスティーS・8を下地全面に塗る
パテが硬化したら、防カビ剤「マスティーS・8」を原液のまま刷毛・ローラー等で下地全面に均一に塗布します(塗布量の目安100cc/㎡)。塗ったら完全に乾燥させます。塗りムラがあるとカビが出る所と出ない所のムラになるので、全面に行き渡らせるのがポイントです。
薬剤を扱うときの注意点
「マスティーS・8」を使う際は、ゴム手袋・眼鏡等を着用し、火気・換気に十分注意して作業してください。はみ出したパテ・防カビ剤・接着剤は、固まる前に直ちに清水で拭き取ります。施工は室温5℃以上で行ってください。
【壁紙貼り】ルーアマイルド+NEWパワーマスティーで貼る
壁紙施工用接着剤「ルーアマイルド」等に防カビ剤「NEWパワーマスティー」(糊18kgに200g)を添加し、規定量の水で希釈して糊付機で壁紙裏面に均一に塗布します(塗布量の目安135g/㎡)。糊にも防カビ剤を入れることで、貼った後の再発を抑えます。養生袋「カンガルー」等でオープンタイムを取ってから貼り合わせます。
ジョイント部は重ね切りをせず、下地を切らないよう下敷きテープ(FUJIKO・MOMOKO等)を使います。GL下地を切り込むと、傷からカビや浮きが起きやすいので、重ね切りに頼らない納め方が安全です。コーナー部の剥がれ防止には「ジョイントコークA」の内コークをおすすめします。
| 用途 | 商品 | 商品番号 | 荷姿 | 施工㎡数の目安 |
|---|---|---|---|---|
| 下塗りパテ | プロジェクトU | 259-424 / 259-434 | 3kg(×4) | 約300㎡/12kg |
| 上塗りパテ | プロジェクト輝 | 262-421 / 262-431 | 3.5kg(×4) | 約300㎡/14kg |
| 防カビ(下地) | マスティーS・8 | 237-402 | 4ℓ(×4) | 約40㎡/4ℓ |
| 壁紙糊 | ルーアマイルド | 213-701 | 18kg | 約180㎡/18kg |
| 糊用防カビ剤 | NEWパワーマスティー | 236-013 | 200g | 糊18kgに200g添加 |
💡 現場メモ
GL工法の壁で「貼ってすぐ浮いた」という相談は、たいてい養生期間が足りていません。新築・改修直後の現場ほど工期に追われて乾燥を待てないものですが、ここを1ヶ月見ておけるかどうかで仕上がりの寿命が変わります。施主にも「乾かす時間が品質」と伝えておくとトラブルが減ります。
【最終確認】施工時の注意事項チェックリスト
要領書記載の注意事項を、現場で使えるチェックリストに組み直しました。
- ボード張り後の養生期間(目安1ヶ月)をとり、下地を乾燥させたか
- GLボンドにNEWパワーマスティーを混合してボード張りしたか
- 発カビしている場合はNEWマスティーカビトリで殺菌したか
- 表面の汚れを落としてから施工したか
- 室温は5℃以上か
- マスティーS・8使用時にゴム手袋・眼鏡を着用し、火気・換気に注意したか
- はみ出したパテ・防カビ剤・接着剤をすぐ清水で拭き取ったか
- 接着しにくい壁紙は試験施工で確認したか
- 湿度が高い・伸縮の大きい壁紙にはプラゾールSS等で糊を補強したか
- 施工後1週間は急激な空調を避け、自然換気するよう施主に伝えたか
壁紙は「何の下地に貼るか」で貼り方が変わります。下地・既存仕上げ・特殊壁紙ごとの施工方法は、▶ 下地別・壁紙施工方法の早見表にまとめています。迷ったときの確認にどうぞ。
出典・参考資料
本記事は、ヤヨイ化学工業株式会社が公開している施工要領書「石膏ボード下地(GL工法)への施工」をもとに、現場での補足を加えて解説したものです。原本は同社公式サイトの施工要領書(PDF)で閲覧できます。
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