プリント合板に壁紙を貼る方法|ツルツル面に糊が効かない理由と捨て糊処理

プリント合板下地への施工方法
本記事にはAmazonアソシエイトプログラムを含む広告が含まれています。

古い和室の腰壁や押入れに使われているプリント合板、あるいは塩ビやメラミンのプラスチック系の面。このツルツルした面に普通の糊で壁紙を貼っても、乾いたそばから剥がれてきます。理由は単純で、糊が掴まる相手がいないから。今回はそのツルツル面に壁紙を密着させる手順を解説します。

この記事は、メーカー公式の施工要領書をベースに現場目線で解説します。プリント合板下地・プラスチック系下地への壁紙施工を、糊が効かない理由から捨て糊処理・パテ・壁紙貼りまで工程順にまとめました。

■ 施工の全体フロー
  1. 事前チェック(固定・汚れ・サビ)
  2. 養生
  3. 捨て糊処理
  4. パテ処理
  5. 壁紙貼り
目次

【効かない理由】ツルツル面に糊が密着しないのはなぜか

壁紙の糊は、下地に水分が少し浸み込み、表面の細かい凹凸に入り込んで固まることで密着します。ところがプリント合板やプラスチック系の面は、水分を吸わず、表面もツルツルで引っかかりがありません。だから糊が掴む相手がなく、乾いても密着しないまま剥がれてしまうわけです。

プリント合板のツルツル面に糊が効かない理由と、サンディングと捨て糊で密着させる方法を示す比較断面図
図1:ツルツル面は水分が浸みず引っかかりもないので糊が掴めない。目荒らしと捨て糊で足場をつくると密着する

解決策が「捨て糊処理」です。先に下地に密着の足場をつくっておき、その上から壁紙を貼ります。考え方は油性ペンキ下地とよく似ています(関連記事:油性ペンキ下地への壁紙施工)。非吸水でツルツルという共通点があるので、対処も「目荒らし+捨て糊」で揃います。

【事前確認】固定・汚れ・サビをつぶす

3点を確認します。下地に動き(たわみ・浮き)があれば十分に固定します。表面が汚れていれば十分に除去します。鉄釘等が使われている場合は、サビを完全に落として防サビ処理をします。サビは後から壁紙に茶色いシミとして出てくるためです。

【養生】パテ・接着剤の付着を防ぐ

床、枠廻り、柱、巾木、見切りなどに、パテや接着剤が付着しないよう養生します。養生を省くと、付いた捨て糊・パテの拭き取りに余計な手間がかかります

【捨て糊処理】プラゾールSSで密着の足場をつくる

プラゾールSS」を原液または約10%の水で希釈し、刷毛・ローラーで下地全面に均一に塗布します(塗布量の目安125g/㎡)。塗ったら完全に乾燥させます。プラゾールSSの密着が悪い場合は、先にサンディング処理(目荒らし)をしてから捨て糊するのがポイント。ツルツルが強い面ほど、目を立ててから捨て糊を乗せます。

捨て糊の前のチェック

「プラゾールSS」を塗る前に、下地の目立たない所へ試験塗布し、乾燥後にクラフトテープを貼って剥離しないか確認してください。剥がれるようなら、サンディングが足りないサインです。ツルツル面はここの見極めが仕上がりを分けます。

【パテ処理】目地・凹部を平滑にする

目地部や凹部を「水性リフォームパテW」でパテ処理し、下地を平滑化します。完全に乾燥・硬化させてから次へ進みます。プリント合板は目地(継ぎ目)が出やすいので、ここを埋めておかないと壁紙に継ぎ目のラインが浮きます。

【壁紙貼り】RINOで貼り、重ね切りは下敷きテープで

壁紙施工用接着剤「RINO(リノ)」を原液のまま糊付機で壁紙裏面に均一に塗布します(塗布量の目安120〜150g/㎡)。養生袋「カンガルー」等で壁紙に適したオープンタイムを取ってから貼り合わせます。

ジョイント部を重ね切りするときは、下地を切らないよう下敷きテープ(FUJIKO・MOMOKO等)を使います。コーナー部の剥がれ防止には「ジョイントコークA」を内コークで注入して納めます。

用途商品商品番号荷姿施工㎡数の目安
捨て糊プラゾールSS220-2223.5kg(×4)125g/㎡(捨て糊)
パテ水性リフォームパテW273-7223.5kg(×4)目地・凹部の処理
壁紙糊RINO(リノ)218-5026kg×3約100㎡/6kg×3

💡 現場メモ

古い家の腰壁や建具まわりのプリント合板は、見た目以上に糊をはじきます。捨て糊なしで貼って「角からめくれてきた」という直しは本当に多い。面倒でも試験塗布で密着を見てから本番に入ると、後の手戻りがなくなります。

【最終確認】施工時の注意事項チェックリスト

要領書記載の注意事項を、現場で使えるチェックリストに組み直しました。

  • 下地の動き(たわみ・浮き)を十分に固定したか
  • 表面の汚れ・油分を中性洗剤で除去し、乾燥させたか
  • 鉄釘のサビを落とし防サビ処理をしたか
  • 密着が悪ければサンディング(目荒らし)してから捨て糊したか
  • プラゾールSS塗布前に試験塗布+クラフトテープで密着を確認したか
  • 目地・凹部を水性リフォームパテWで平滑化したか
  • 室温は5℃以上か
  • はみ出したパテ・接着剤をすぐ清水で拭き取ったか
  • 接着しにくい壁紙・通気性の少ない壁紙は試験施工で確認したか

壁紙は「何の下地に貼るか」で貼り方が変わります。下地・既存仕上げ・特殊壁紙ごとの施工方法は、▶ 下地別・壁紙施工方法の早見表にまとめています。迷ったときの確認にどうぞ。

🔧 壁紙施工でよく使う道具

▶ 大田製作所 ステンレス地ベラ

Amazonで見る

▶ オルファ 特専黒刃(小)50枚入

Amazonで見る

出典・参考資料

本記事は、ヤヨイ化学工業株式会社が公開している施工要領書「プリント合板下地・プラスチック系下地への施工」をもとに、現場での補足を加えて解説したものです。原本は同社公式サイトの施工要領書(PDF)で閲覧できます。

関連ツール

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

インテリア商社・マネージャー。現場に関わり続け、実務目線でツールの仕様監修を担当。「現場で本当に使えるか」を判断基準にしています。

コメント

コメントする

目次