コンクリート・モルタルに壁紙を直貼りする方法|乾燥とシーラー処理の正解

コンクリート・モルタルへの施工方法
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コンクリート打放しやモルタルの壁に、直接壁紙を貼りたい——できますが、ほかの下地以上に「下地が乾いているか」が仕上がりを左右します。コンクリートは内部に水分とアルカリを抱えていて、乾燥が足りないまま貼ると、数ヶ月後に浮き・剥がれ・アルカリによる変色が出ます。

この記事は、メーカー公式の施工要領書をベースに現場目線で解説します。モルタル下地・コンクリート打放し面への壁紙施工を、下地の乾燥確認からシーラー処理・パテ・壁紙貼りまで工程順にまとめました。

■ 施工の全体フロー
  1. 事前チェック(乾燥・粉化)
  2. 養生
  3. シーラー処理
  4. パテ処理
  5. 壁紙貼り
目次

【最重要】コンクリート直貼りは「乾燥」で決まる

コンクリートやモルタルは、固まった後もしばらく内部に水分とアルカリ分を含んでいます。新築や打設直後の躯体は特にそうです。乾燥が不十分なまま壁紙を貼ると、抜けきらない水分とアルカリが壁紙の裏に上がってきて、浮き・剥がれ・アルカリによる黄ばみ(白華)を起こします。だからまず、下地が湿っぽくないかを確認し、湿っていれば十分に乾かしてから始めます。

コンクリート下地の乾燥不足で水分・アルカリが上がり浮きや変色が出る場合と、十分乾燥+シーアップで密着する場合の比較断面図
図1:乾燥不足だと水分・アルカリが壁紙へ上がり浮きや変色に。十分乾燥させシーアップで処理すれば密着する

もう一つの落とし穴が「粉っぽさ」です。コンクリート表面が手で触って粉っぽい(チョーキングしている)場合、その層が弱いので、シーラーの塗布回数を増やすか、ひどければケレンで粉化層を落とします。乾燥と粉化、この2点をつぶしておくことが、コンクリート直貼りの土台になります。

【養生】パテ・接着剤の付着を防ぐ

床、枠廻り、柱、巾木、見切りなどに、パテや接着剤が付着しないよう養生します。養生を省くと、巾木や枠に付いたシーラー・パテの拭き取りに余計な手間がかかります

【シーラー処理】シーアップで吸い込みを止める

「シーアップ」4kgを3倍の水(12ℓ)で希釈し、刷毛・ローラーで下地全面に均一に塗布します(塗布量の目安100g/㎡・1回塗り)。塗ったら完全に乾燥させます。下地表面が粉っぽい場合は2回以上の塗布がおすすめ。コンクリートは吸い込みが強いので、ここで吸い込みを止めておかないと糊が下地に取られて密着が落ちます。

シーラーを塗る前のチェック

「シーアップ」を使う前に、下地の目立たない所へ試験塗布し、乾燥後にクラフトテープを貼って剥離しないか確認してください。剥がれる場合は、下地の乾燥不足か粉化が残っているサインなので、原因を処理してから本塗りに入ります。

【パテ処理】耐振パテ60→プロジェクト輝の2段で

下塗りは「耐振パテ60」でクラック・欠損部・凹部等を埋めます。次に上塗用パテ「プロジェクト輝」等で下地を平滑化し、完全に硬化させてから次へ進みます。打放し面は凹凸やジャンカ(豆板)が出やすいので、パテで面をつくる手間を惜しまないのがきれいに仕上げるコツです。

【壁紙貼り】ルーアマイルドで貼り、重ね切りはPP下敷きテープで

壁紙施工用接着剤「ルーアマイルド」等を規定量の水で希釈し、糊付機で壁紙裏面に均一に塗布します(塗布量の目安135g/㎡)。養生袋「カンガルー」等で壁紙に適したオープンタイムを取ってから貼り合わせます。

ジョイント部を重ね切りするときは、下地を切らないよう「PP下敷きテープ」等を使います。コーナー部の剥がれ防止には「ジョイントコークA」を内コークで注入して納めます。

用途商品商品番号荷姿施工㎡数の目安
シーラーシーアップ227-4024kg(×4)100g/㎡・1回塗り(3倍希釈)
下塗りパテ耐振パテ60279-2213.6kg(×4)下地状況による
上塗りパテプロジェクト輝262-421 / 262-4313.5kg(×4)約300㎡/14kg
壁紙糊ルーアマイルド213-70118kg約180㎡/18kg

💡 現場メモ

打放し風の内装が流行っていますが、新築躯体に焦って貼ると後でアルカリ焼けや浮きで泣きます。目安として躯体は数ヶ月の乾燥を見たいところ。急ぎの現場では下地の含水を確認し、怪しければ施主に乾燥期間の必要性を伝えておくとトラブルになりにくいです。

【最終確認】施工時の注意事項チェックリスト

要領書記載の注意事項を、現場で使えるチェックリストに組み直しました。

  • 下地が湿っぽくないか、十分に乾燥させたか
  • 表面の汚れを落としてから施工したか
  • 下地が極端に粉っぽい場合はケレンで粉化層を除去したか
  • 粉っぽい面はシーアップを2回以上塗布したか
  • シーラー塗布前に試験塗布+クラフトテープで密着を確認したか
  • 室温は5℃以上か
  • はみ出したシーラー・パテ・接着剤をすぐ清水で拭き取ったか
  • 接着しにくい壁紙は試験施工で確認したか
  • 施工前に十分換気し、下地を乾燥させたか

壁紙は「何の下地に貼るか」で貼り方が変わります。下地・既存仕上げ・特殊壁紙ごとの施工方法は、▶ 下地別・壁紙施工方法の早見表にまとめています。迷ったときの確認にどうぞ。

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出典・参考資料

本記事は、ヤヨイ化学工業株式会社が公開している施工要領書「モルタル下地・コンクリート打放し面への施工」をもとに、現場での補足を加えて解説したものです。原本は同社公式サイトの施工要領書(PDF)で閲覧できます。

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この記事を書いた人

インテリア商社・マネージャー。現場に関わり続け、実務目線でツールの仕様監修を担当。「現場で本当に使えるか」を判断基準にしています。

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