フレキシブル板への壁紙施工|石膏ボードとの違いとシーラー・目地対策

フレキシブル板下地への施工方法
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水回りやドア枠まわり、軒天などに使われるフレキシブル板(大平板)。同じ板でも、内装の定番である石膏ボードとは性質がかなり違います。フレキシブル板は繊維強化セメントの硬い板で、吸い込みが強くアルカリ性。下処理を一段しっかりやらないと、膨れやクラックが出ます。今回はその違いをふまえた壁紙の貼り方を解説します。

この記事は、メーカー公式の施工要領書をベースに現場目線で解説します。フレキシブル板・大平板下地への壁紙施工を、石膏ボードとの違いからシーラー処理・パテ・壁紙貼りまで工程順にまとめました。

■ 施工の全体フロー
  1. 事前チェック(固定・乾燥)
  2. 養生
  3. シーラー処理
  4. パテ処理
  5. 壁紙貼り
目次

【下地の違い】フレキシブル板は石膏ボードと何が違うか

フレキシブル板(大平板)は繊維強化セメント板で、石膏ボードに比べて硬く重く、不燃・耐水性に優れます。だから水回りや外部に近い部位に使われます。問題は、吸い込みが強くアルカリ性であること、そして目地やドア枠まわりにクラックが出やすいこと。石膏ボードと同じ感覚で貼ると、シーラー不足で膨れたり、目地が割れて壁紙に線が出たりします。

石膏ボードとフレキシブル板の性質と施工の違いを示す比較図解。石膏ボードは標準的、フレキシブル板は吸い込みとクラック対策が必要
図1:フレキシブル板は吸い込みが強くアルカリ性。シーラーで吸い込みを止め、目地はクラック対策をする

石膏ボード下地の基本の流れは、石膏ボード下地への壁紙施工で解説しています。フレキシブル板は、その流れに「シーラーをしっかり」「目地のクラック対策」を足したものと考えると分かりやすいです。

【事前確認】固定と乾燥を確かめる

下地に動き(たわみ・浮き)があれば十分に固定します。フレキシブル板は重いので、留め付けが甘いと目地のクラックにつながります。また下地が湿っぽい場合は十分に乾燥させてから進めます。セメント系は水分を含みやすいので、ここを急がないことが大切です。

【養生】開口まわりの枠を重点的に守る

フレキシブル板はドア枠や開口の周囲、配管まわりなど他の部材と取り合う場所に使われることが多い下地です。枠・柱・巾木・見切りにパテや接着剤が付くと、硬化後の拭き取りに手間がかかるうえ、枠の塗装を傷めることもあります。とくに枠まわりは幅を広めに養生しておくと後が楽です。

【シーラー処理】緻密な面に糊の足がかりをつくる

「シーアップ」4kgを3倍の水(12ℓ)で希釈し、刷毛・ローラーで下地全面に均一に塗布します(塗布量の目安100g/㎡)。塗ったら完全に乾燥させます。フレキシブル板は高圧縮のセメント板で珪酸カルシウム板ほど水を吸わないため、希釈は3倍で足ります。ここでのシーラーの狙いは吸い込み止めというより、緻密で滑らかな表面に糊の足がかりをつくることです。塗布ムラがあるとその部分だけ密着が落ち、膨れの原因になります。

シーラーを塗る前のチェック

「シーアップ」を使う前に、下地の目立たない所へ試験塗布し、乾燥後にクラフトテープを貼って剥離しないか確認してください。表面が緻密な板では、シーラーが染み込まずに膜だけ乗った状態になることがあります。テープに塗膜が付いてくるようなら密着していないサインなので、そのまま貼らずに原因を潰します。

【パテ処理】動く目地のクラックを先に止める

下塗りパテ「プロジェクトU」等でV溝や段差を埋め、上塗りパテ「プロジェクト輝」等で平滑化し、完全に硬化させてから次へ進みます。ビス頭は専用パテ「Newビスパッチ」で処理します。フレキシブル板でいちばん怖いのは目地の割れです。板そのものは硬くて反りにくい反面、板と板の継ぎ目や開口まわりに動きが集中します。ここを通常のパテだけで納めると、後から継ぎ目に沿って一直線にクラックが出ます。「目地ガード」または「耐振パテ60」を先に入れ、動きをパテの段階で吸わせておきます。

【壁紙貼り】硬い下地なので重ね切りの刃圧に注意

壁紙施工用接着剤「ルーアマイルド」等を規定量の水で希釈し、糊付機で壁紙裏面に均一に塗布します(塗布量の目安135g/㎡)。養生袋「カンガルー」等でオープンタイムを取ってから貼り合わせます。シーラーで締めた緻密な面は糊が滑りやすいので、撫でバケで空気を抜きながら確実に圧着します。

ジョイント部を重ね切りするときは、下敷きテープ(FUJIKO・MOMOKO等)を必ず使います。フレキシブル板は硬いぶん刃が滑りやすく、力を入れすぎると板の表層を欠いてしまい、後で継ぎ目が目立つことがあります。刃は新しいものを使い、軽く一度で切るのがコツです。コーナー部の剥がれ防止には「ジョイントコークA」を内コークで注入して納めます。

用途商品商品番号荷姿施工㎡数の目安
シーラーシーアップ227-4024kg(×4)100g/㎡(3倍希釈)
下塗りパテプロジェクトU259-424 / 259-4343kg(×4)約300㎡/12kg
上塗りパテプロジェクト輝262-421 / 262-4313.5kg(×4)約300㎡/14kg
目地クラック対策目地ガード / 耐振パテ60273-611 ほか目地部に使用
壁紙糊ルーアマイルド213-70118kg約180㎡/18kg

シーアップ・プロジェクトU・プロジェクト輝・目地ガード / 耐振パテ60・ルーアマイルドはアウンワークスで仕入れられます。

💡 現場メモ

フレキシブル板は石膏ボードのつもりで貼ると、シーラー不足の膨れと目地割れの2点でやられます。特にドア枠や開口まわりは動くので、目地ガードか耐振パテを入れておくと後の割れがまるで違います。吸い込みが強いぶん、シーラーは出し惜しみしないのが正解です。

【最終確認】フレキシブル板のチェックリスト

要領書記載の注意事項を、現場で使えるチェックリストに組み直しました。

  • 下地の動き(たわみ・浮き)を十分に固定したか
  • 板の継ぎ目・開口まわりの動きを想定して目地処理をしたか
  • 表面の汚れを落としてから施工したか
  • シーアップを3倍希釈で均一に塗り、完全に乾燥させたか
  • シーラー塗布前に試験塗布+クラフトテープで密着を確認したか
  • ビス頭はNewビスパッチ、目地は目地ガード/耐振パテ60で処理したか
  • 室温は5℃以上か
  • はみ出したシーラー・パテ・接着剤をすぐ清水で拭き取ったか
  • 接着しにくい壁紙・伸縮の大きい壁紙は試験施工で確認したか

壁紙は「何の下地に貼るか」で貼り方が変わります。下地・既存仕上げ・特殊壁紙ごとの施工方法は、▶ 下地別・壁紙施工方法の早見表にまとめています。迷ったときの確認にどうぞ。

この記事で使った材料はアウンワークスで揃えられます

ここまで紹介したシーアップ・プロジェクトU・プロジェクト輝・目地ガード / 耐振パテ60・ルーアマイルドは、建材専門ECのアウンワークスならまとめて仕入れられます。プロ向けの価格帯で、在庫状況や詳しい仕様も商品ページで確認できます。

出典・参考資料

本記事は、ヤヨイ化学工業株式会社が公開している施工要領書「フレキシブル板・大平板下地への施工」をもとに、現場での補足を加えて解説したものです。原本は同社公式サイトの施工要領書(PDF)で閲覧できます。

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この記事を書いた人

インテリア商社・マネージャー。現場に関わり続け、実務目線でツールの仕様監修を担当。「現場で本当に使えるか」を判断基準にしています。

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